Ver. 1.1.0
2025年08月07日 更新
BAYGLE をご購入いただきありがとうございます。
本書では、BAYGLE
の操作方法および基本的なチュートリアルについて説明します。
ご不明な点やお問い合わせは、support@baygle.net
までご連絡ください。
本書のチュートリアルで使用するサンプルデータは、data
フォルダに含まれています。
BAYGLEの推奨動作環境は以下のとおりです。
記載のない環境でのご利用をご希望の場合は、お問い合わせください。
項目 | 推奨環境 |
---|---|
OS | Windows 10 Windows 11 Ubuntu AlmaLinux |
ブラウザ | Google Chrome(最新版) Microsoft Edge(最新版) Firefox(最新版) |
CPU(プロセッサー) | ご利用されるデータ量によって異なります |
メモリ(RAM) | ご利用されるデータ量によって異なります |
ソフトウェア名 | 推奨バージョン |
---|---|
Java | Java 17以上 |
Node.js | Node.js 20以上 |
BAYGLE本体のインストールおよび実行方法については、購入時に別途ご案内いたします。
BAYGLE をご利用いただくには、ライセンス認証が必要となります。
BAYGLE を起動し、初回のログインを行うと、ライセンス画面が表示されます。
画面で表示されるシリアルキーをコピーまたは保存し、
support@baygle.net
までメールでお送りください。
シリアルキー確認後、弊社よりライセンスキーを発行し、メールでご連絡いたします。
※
ライセンスの有効期限(開始日および終了日)は、シリアルキー発行時点で確定されます。
ライセンスキーの発行には、3営業日程度かかる場合がございます。
お急ぎの場合は、メール送付時にその旨をご記載ください。
ライセンスキーが届きましたら、BAYGLE のライセンスキー入力欄にご入力のうえ、ライセンス認証を行ってください。
サブスクリプションを再契約いただいた際には、新しいライセンスキーを発行いたします。 ライセンス期限の延長をご希望の際には、お手数ですがお問い合わせください。
このチュートリアルでは、サンプルデータを用いて、モデルの作成から推論までの基本操作を解説します。
使用するサンプルデータは、「chest_clinic.csv
」です。
ログインすると、プロジェクト一覧画面が表示されます。
画面右上の「プロジェクト追加」ボタンをクリックし、本チュートリアル用のプロジェクトを作成してください。
ここでは、プロジェクト名を「チュートリアル1」として進めます。
作成後、プロジェクト一覧画面のプロジェクト名「チュートリアル1」をクリックし、プロジェクト画面を開いてください
。
※ プロジェクトメモは任意のため、入力は不要です。
※ 公開および非公開の設定については、管理画面
で解説しています。本チュートリアルでは「非公開」に設定してください。
プロジェクト画面で、推論を行うデータをアップロードします。
画面の左側にある「データアップロード」ボタンをクリックしてください。
「ファイル選択」ボタンをクリックしてサンプルデータとしてお渡ししている「chest_clinic.csv
」を選択してください。
ファイル選択後、数行のプレビューが表示されますので、正常に表示されていることを確認して、「保存」ボタンをクリックしてください。
※
文字コードは、「Shift-JIS」に設定してください。メモは任意のため入力不要です。
先程アップロードしたデータ(chest_clinic.csv)の「モデル作成」ボタンをクリックしてください。
※ 各設定の説明については、BAYGLE内のヘルプアイコンまたは、本書各画面の操作説明のモデルの新規作成画面に記載しています。
モデル名、データ、モデルメモは、本チュートリアルでは初期設定のままで問題ありません。
モデル作成設定は以下の様に設定してください。
項目 | 設定値 |
---|---|
アルゴリズム | Greedy Search |
評価基準 | BIC |
パラメータ推定方法 | ML(最尤推定) |
次に、親子関係を設定します。
ベイジアンネットワークの矢印は、基本的には因果の向きに合わせます。
データから因果の向きを決めることは難しい問題ですので、明らかな場合や仮説がある場合には、
その親子関係(親が原因、子が結果)を設定することで、意図したモデルを作成することができます。
本チュートリアルでは、親子設定を以下の表のように設定してください。
親子関係の表示方法には、リスト形式とテーブル形式がありますので、お好きなほうを使用して設定してください。
また、設定方法については子に対して親を選択する方法(子基準)と、親に対して子を選択する方法(親基準)があります。
ここでは、子基準を使用して設定ノードに親候補のノードを追加します。
設定ノード名 (子ノード) | 親候補ノード名 |
---|---|
アジア訪問経験 | (親候補なし) |
喫煙者? | (親候補なし) |
結核? | アジア訪問経験、喫煙者? |
肺がん? | アジア訪問経験、喫煙者? |
結核or肺がん? | 結核?、肺がん? |
気管支炎? | アジア訪問経験、喫煙者? |
レントゲン検査 | 結核?、肺がん?、結核or肺がん?、気管支炎? |
呼吸困難? | 結核?、肺がん?、結核or肺がん?、気管支炎? |
親子関係の設定まで終了しましたら、右下の「作成」ボタンをクリックしてモデルによる推論へ進んでください。
モデルの作成が終わるとプロジェクト画面にモデルが表示されます。
作成したモデルの「閲覧/推論」ボタンをクリックすると閲覧/推論画面が表示されます。
閲覧/推論画面で、上部メニューの「自動レイアウト」から「階層的レイアウト(優先度法)」を選択してください。
レイアウトを選択することで、ノードが自動配置されます。
レイアウトの種類については、各画面操作説明の閲覧/推論画面をご参照ください。
レイアウト選択後に、レイアウト保存ボタンをクリックすると現在のレイアウト情報が保存され、
再度閲覧/推論画面を開いた際に保存されたレイアウトで表示されます。
次に、作成したモデルを使用して、推論を実行する方法について説明します。
作成したモデルを使用して、病気の確率を推論してみましょう。
例えば、「喫煙者」が「はい」、「レントゲン検査」が「陽」であることを既知の情報として設定する場合には、
表上の「喫煙者」の「はい」と、「レントゲン検査」の「陽」をクリックしてください。
このように確定している情報を入力すると、その他のノードの推論結果が変化します。
現在確定している状態のことを「エビデンス」といいます。
エビデンスを設定することで、他のノードの確率分布が変化し、様々な状態の組み合わせを推論することができます。
このチュートリアルでは、離散化が必要なデータからモデルを作成する方法について解説します。
使用するサンプルデータは、「german.csv
」です。
チュートリアル①と同じ手順でプロジェクトを作成してください。
ここでは、プロジェクト名を「チュートリアル2」として進めます。
プロジェクト画面で、推論を行うデータをアップロードします。
画面の左側にある「データアップロード」ボタンをクリックしてください。
「ファイル選択」ボタンをクリックしてサンプルデータとしてお渡ししている「german.csv
」を選択してください。
ファイル選択後、数行のプレビューが表示されますので、正常に表示されていることを確認して、「保存」ボタンをクリックしてください。
※
文字コードは、「Shift-JIS」に設定してください。メモは任意のため入力不要です。
表示されている german.csv
の「加工」ボタンをクリックしてください。
離散化画面で、カラム名にエクスクラメーションマーク(!)がついているカラムと、マーク無しのカラムが離散化可能なカラムとなります。
離散化可能なカラムは、数値をその値として持つカラムで、
german.csv
では
Age
、Amount
、Duration
、Depends
、Rate
、Accounts
が離散化可能となっており、
その中でも値の数が 5
を超えるものが連続値と判断され離散化が推奨されます。
このチュートリアルでは、一括自動計算を使用してモデルを作成します。
「一括自動計算」ボタンをクリックすると、すべての離散化推奨カラムに離散化の区間名と値が設定されます。
その後、右下の「離散化実行」ボタンをクリックすると離散化が実行され、
プロジェクト画面に離散化済みのデータが追加されます。
離散化実行後は、親子関係などの設定を行い「モデルの作成」、その後「モデルの推論」をチュートリアル①と同様に実施してください。
離散化について細かく設定を行うことも可能です。
詳しくは、加工機能説明の離散化
をご参照ください。
以上で、チュートリアル2は終了です。
チュートリアルで触れていない機能については、加工機能説明と各画面の操作説明 で解説しています。
この章では、各加工機能について説明します。
モデル作成ではデータに連続値が含まれる場合、そのままでは利用することができないため、
数値データを区間で分割し、カテゴリデータに変換して利用します。
例えば、年齢のカラムがある場合「10歳未満」「10代」「20代」などのカテゴリデータに変換します。
離散化の区間の指定は「手動」または「自動計算」で行います。
「手動」で区間を設定する場合には「設定を追加」ボタンをクリックして区間を追加し、区間の閾値と名前を指定します。
閾値をどちらの区間に含めるか(開区間・閉区間)を明示的に指定したい場合は「数値設定」タブをご利用ください。
「最小値」「最大値」にチェックを入れるとその区間に含める設定になります。
「自動計算」では等数分割を初期状態とし k-means
法で閾値を決定しています。
また分割数は 5
に設定されていますが、データが少ない場合などは結果がこれに満たない場合もあります。
モデル作成時に使用したいカラムを選択することができます。 選択したカラムが、新たに作成するデータに含まれます。
例えば、アンケートデータで id
,
回答日時
を削除したい場合、 id
,
回答日時
以外のカラムを選択することで、 id
,
回答日時
が削除されたデータが作成されます。
有効化したカラムに対してダミー変数化処理を行い、データを作成します。
下記の画像では、住居
カラムのダミー変数化を有効化し、住居に関する情報をダミー変数化しています。
各入力欄を入力した場合は、「表示更新」をクリックすると下部のプレビューが更新されます。
※
プレビューは一部データが使用されるため、状態名が全て出ない場合があります。
この章では、各画面におけるボタンや機能について説明します。
ログイン画面は、BAYGLE を起動した状態で http://localhost:8000 にアクセスすることで開くことができます。
① ログインID入力欄
使用するユーザーのログインIDを入力してください。
初回使用の場合は、「root」に設定されています。
② パスワード入力欄
※ ログインID とパスワードは、管理画面から変更可能です。セキュリティの観点から変更することを推奨します。
ログイン後に表示される画面です。 プロジェクトの新規作成や、作成済みのプロジェクトを確認することができます。
作成したプロジェクトの一覧が表示されます。
管理者ユーザーの場合、すべてのプロジェクトが表示されます。
一般ユーザーの場合、自身が作成した非公開プロジェクトと、他ユーザーが作成した公開プロジェクトが表示されます。
プロジェクト名をクリックすると、選択したプロジェクトのプロジェクト画面が開きます。
プロジェクト追加ボタン
プロジェクト新規作成画面が開きます。
新規プロジェクトを作成します。
インポートボタン
プロジェクトをファイル(ZIP形式)からインポートできます。
インポートする際には、プロジェクトの各情報を変更することができます。
エクスポートボタン
プロジェクトをファイル(ZIP形式)にエクスポートできます。
エクスポートしたファイルは、インポート機能でインポートできます。
編集ボタン
既存プロジェクトの情報を編集します。
プロジェクト名、プロジェクトメモ、公開設定を編集することができます。
削除ボタン
プロジェクトの削除を行います。
削除を行う場合、そのプロジェクトに含まれるデータ、モデルも同時に削除されます。
削除後は、戻すことはできませんのでご注意ください。
管理画面ボタン
管理者ユーザーでログイン時のみ表示されるボタンで、管理画面を開きます。
詳しくは、管理画面をご覧ください。
ログアウトボタン
プロジェクト一覧画面で、「プロジェクト追加」ボタンをクリックした際に表示される画面です。
新規プロジェクトを作成することができます。
プロジェクト名入力欄
プロジェクトメモ入力欄
公開設定
他のユーザーに公開するかを設定することができます。
非公開でプロジェクトを作成した場合、自身以外の一般ユーザーは見ることができませんが、
管理者ユーザーはそのプロジェクトを閲覧、操作することができます。
プロジェクト一覧画面で、プロジェクト名をクリックすることで表示される画面です。
ここでは、プロジェクトの情報とプロジェクト内のデータ、モデルの一覧が表示されます。
編集ボタン
プロジェクトの情報を編集することができます。
表示切り替え
別表示にすると、データ一覧とモデル一覧が分かれて表示されます。
一括表示にすると、データ一覧とモデル一覧が一括で表示されます。
アップロード(データ)ボタン
ベイジアンネットワークモデルを作成するデータをアップロードできます。
CSV形式がご利用になれます。
使用できる文字コードは、「Shift-JIS」「UTF-8」「EUC-JP」です。
任意でデータにメモを付けることができます。
モデル作成ボタン
アップロード済みのデータを使用してベイジアンネットワークモデルを構築します。
モデルの新規作成画面で詳しく説明しています。
プレビューボタン
加工ボタン
データの加工ができます。
加工機能説明で詳しく説明しています。
削除ボタン
データを削除します。
「このデータから作成されたモデルを削除する。」にチェックを入れると、モデルも削除されます。
アップロード(モデル)ボタン
既存のモデルをアップロードできます。
XMLBIF形式、YAML形式のベイジアンネットワークモデルがアップロードできます。
任意でモデルにメモを付けることが出来ます。
閲覧/推論ボタン
設定ボタン
削除ボタン
プロジェクト画面で「モデル作成」ボタンをクリックすることでモデルの新規作成画面が開きます。
モデル名
デフォルトでは、データ名と日時から生成されます。
モデル作成後にも変更可能です。
データ
デフォルトでは、選択したデータが選択されます。
他のデータを使ってモデル作成を実施したい場合は、別のデータを選択してください。
データのプレビューが表示されますので、データが正しいことを確認してください。
モデルメモ
モデルにメモをつけることができます。
モデル作成後にも変更可能です。
アルゴリズム
モデルの構造を探索する手法を選択します。
モデルに評価関数を設定し、その値が最も良いモデルを選択します。
ノード数が増えると、評価すべき構造が爆発的に増加するため最適解を見つけることは難しく、近似解法を用いることが一般的です。
BAYGLE
では2種類の近似解法を実装しています。それぞれ探索にかかる時間とモデルの評価に違いがあります。
Greedy Search
矢印がないモデルに対して、矢印の追加を繰り返すことでモデルを探索します。
評価基準を用いて、矢印を追加する前後でモデルを評価し、その増分を矢印の評価とします。
上記に則って追加し得る全ての矢印を評価し、その時点で最良のものを採用します。
これを繰り返し、評価を改善する矢印がなくなると探索を終了します。
Hill-Climbing Search
に比べて、探索時間が速いですが、モデルの評価は劣ります。
Hill-Climbing Search
矢印がないモデルに対して、矢印の操作(追加、削除あるいは反転)を繰り返すことでモデルを探索します。
次に選択する評価基準を用いて、矢印の操作の前後でモデルを評価し、その増分を矢印の操作に対する評価とします。
上記の方法に則って可能な全ての矢印の操作を評価し、その時点で最良のものが採用します。
これを繰り返し、評価を改善する矢印の操作がなくなると探索を終了します。
Greedy Search
に比べて、モデルの評価が高いですが、探索時間の面では劣ります。
評価基準
モデルの評価基準を指定します。
評価基準により選択されるモデルの複雑さが変わります。
得られるモデルの複雑さは「MLL > AIC > BIC」の順となります。
矢印の数が増えるとパラメータが増え、モデルの複雑さが増加します。
AIC(赤池情報量規準) 赤池情報量規準は次のような「
-2(最大対数尤度)+
ペナルティ項」式となっており、データへの適合度を最大対数尤度で捉え、
これにモデルの複雑さに対するペナルティ項を加えることで、過学習を避け、将来の予測に有効なモデルを選択することを目的にした評価指標です。
モデルを複雑にすると、最大対数尤度が増加し AIC
が良くなりますが、一方パラメータの数が増えることでペナルティ項も増加し
AIC が悪化します。
このバランスでモデルが決まります。
またデータが多くなるとより複雑なモデル(矢印の多いモデル)が選択されるようになります。
データが少ない場合にモデルを複雑にし過ぎると予測性能が悪化するため、データの量に合わせてモデルの複雑さを調整する働きがあります。
BIC(ベイズ情報量規準)
AICと同様にデータへの適合度とモデルの複雑さを考慮する評価指標ですが、モデルの複雑さに対するペナルティがより厳しく、
よりシンプルなモデルが選択されます。
MLL(最大対数尤度)
モデルがデータをどれだけよく説明できるかを表す指標で、モデルを仮定した場合のデータの起こりやすさ(尤度)を評価しています。
複雑なモデルになるほど評価が高くなり、過学習となるリスクがあります。
パラメータ推定方法
モデルのパラメータの推定方法を指定します。
ML(最尤推定)
ベイジアンネットワークのパラメータ(CPT:条件付き確率表)を最尤法で推定します。
子と親の組み合わせでクロス集計を計算し、正規化する処理となります。
推論結果をデータにできる限り忠実に合わせたい場合にこちらを選択します。
MAP(最大事後確率推定)
全ての状態に 1
つのデータが観測されている分布を事前分布として、事後確率を最大化するようにパラメータ(CPT:条件付き確率表)を推定します。
子と親の組み合わせでクロス集計を計算し、全ての要素に 1
を足して正規化する処理となります。
データが少ない場合に分布を平滑化する意味があり、データが十分に多くなれば ML(最尤推定) との差は無視できるようになります。
例えば状態(A, B)があり観測したデータが(2個,
0個)だった場合に、ML(最尤推定) であればこの確率は(1.0,
0.0)となりますが、
2 個のサンプルで B が起こりえないとするのは早計ですので、これに 1
を足して正規化することで確率が(0.75,0.25)となり平滑化され、
B が発生する余地を残すことになります。
親子関係
ベイジアンネットワークの矢印は、基本的には因果の向きに合わせます。
データから因果の向きを決めることは難しい問題ですので、明らかな場合や仮説がある場合には、
その親子関係(親が原因、子が結果)を設定することで、意図したモデルを作成することができます。
設定された「候補」の中から評価基準により親が選択されます。
何も情報が無い場合には「全親子関係を候補にする」ボタンをクリックしてモデルを作成してください。
「必須」を指定した場合には必ずその親子間に矢印が引かれ、その後で「候補」の中で評価基準により親が選択されます。
インポートボタン
子基準/親基準
リスト/テーブル
作成ボタン
ここまでの設定を使ってモデルを構築します。
作成したモデルは、プロジェクト画面に表示されます。
プロジェクト画面の加工したいデータの「加工」ボタンをクリックすることでデータ加工画面が表示されます。
選択したデータを加工して新たなデータとして生成します。
元のデータが不要な場合は、「元データを削除」をチェックして実行してください。
それぞれの加工についての説明は、加工機能説明を参考にしてください。
BAYGLE
でデータから作成したモデルやアップロード(XMLBIF形式、YAML形式)したベイジアンネットワークモデルを可視化する画面です。
この画面では、ベイジアンネットワークモデルの構造の確認、パラメータの確認及び確率推論を行うことができます。
閲覧/推論画面では、エビデンスを指定して推論を実施し、その結果を確認することができます。
現在わかっている情報を入力して、他のノードの確率を確認したり、他ノードがどう変化するかを
シミュレートすることができます。
エビデンスの指定方法は3種類あります。
モデル欄の各ノードの状態を直接クリックする
状態をクリックし、パイチャートの中央が黄色になるとエビデンスが設定されている状態です。
再度クリックすることで、エビデンス状態を解除することができます。
推論結果欄の各ノードの状態の行をクリックする
状態の行をクリックすると行が黄色くなり、エビデンスが設定されている状態になります。
再度クリックすることで、エビデンス状態を解除することができます。
エビデンスセット欄からエビデンスを選択する
事前に保存していたエビデンス情報を復元します。
上記の3種類の方法のいずれかを用いてエビデンスを設定することにより、推論が自動的に実行され、確率分布(パイチャート)が更新されます。
また、推論結果は、モデル欄、ノード情報欄、推論結果欄にも自動的に反映されます。
名称 | 説明 |
---|---|
▷(再生ボタン) | モデル構造を動的に動かすことができます |
グリッドボタン | モデルの背景に表示されているグリッドの表示・非表示が切り替えられます |
自動レイアウト | モデルの位置を自動配置します 【対応レイアウト】 力学的レイアウト 階層的レイアウト(優先度法) 階層的レイアウト(Brandes And Kopf) |
レイアウト保存 | 現在のモデル配置情報を保存します 次回閲覧/推論画面を開いた時には保存した配置が表示されます |
ダウンロード | モデルに関連する情報をダウンロードできます 【対応形式】 モデル画像・・・SVG、PNG モデル・・・BIF、YAML 親子関係・・・子基準、親基準 推論結果 |
ウィンドウリセット | 表示されているウィンドウを初期状態にリセットします セットしたエビデンスや、モデル配置は影響を受けません |
下記画像は、以下の設定を適用した際のサンプル画像です。
設定名 | 設定値 |
---|---|
状態値表示設定 | 状態名、推論結果 |
強調表示設定 | 強調なし |
確率表記 | 0~1 |
確率桁数 | 2 |
ノード名表示位置 | 中心 |
状態名表示位置 | ノード横 |
各ノードは、その直接の親を条件とする条件付確率を持ちます。
これがベイジアンネットワークのパラメータであり、学習データから計算されます。
下図は、「呼吸困難?」が持つ条件付確率表
P(呼吸困難?|気管支炎?、結核or肺がん?)です。
小さく表示されている整数は、条件付確率表を計算する元となるクロス集計の値です。
ノード情報欄には、モデル欄で設定されているノードに関する情報が表示されます。
事前確率とは、エビデンスが1つも設定されていない状態での確率分布です。
事前分布と推論結果の差がエビデンスの影響となります。
推論結果が青色の場合は事前分布より下がったことを、赤色の場合は事前分布より上がったことを表しています。
また、ノード情報欄で状態名を選択することで、モデルにエビデンスを設定(状態を選択)することができます。
推論結果欄では、推論結果が一覧で表示され、併せて事前確率との差・比が計算されていますので、
エビデンスによる影響を比較するのに便利です。
また、事前確率をエビデンスセット欄の任意の推論結果と入れ替えることができます。
「エビデンスを与えたノードを隠す」を選択すると、エビデンスを与えていないノードのみを表示することができます。
推論結果は、画面上部のダウンロードボタンからダウンロードすることができます。
現在のエビデンスを保存することができます。
推論の実行で解説した方法を用いてセットしたエビデンスを任意の名前で保存することができます。
また、保存されたエビデンスセットを選択することで、選択したエビデンスでの推論結果を復元することができます。
エビデンスなしをクリックすることで、現在のエビデンスをすべてクリアします。
また、ここで保存したエビデンスセットを推論結果欄の「事前確率」に替えて利用することができます。
現在のノードのレイアウトを任意の名前で保存することができます。
また、保存されたレイアウトセットを選択することで、同じプロジェクトの別のモデルでも同じレイアウトを再現することができます。
※同名ノードのみレイアウトが適用されます。同名ノード以外はレイアウトが適用されません。
主にモデル欄での様々な情報の表示設定を変更することができます。
項目 | 説明 |
---|---|
状態値表示設定 | モデル欄でノードに付随する情報の表示・非表示を設定することができます。 「状態名」「インデックス」「推論結果」から複数選択できます |
強調表示設定 | モデル欄で色付き表示される条件を選択します 「強調なし」「エビデンスとその親子ノード」「選択ノードとその親子ノード」が選択できます |
確率表記 | モデル欄、ノード情報欄、推論結果欄で表示されている確率値の「0~1(小数表示)」と「パーセント表記」を切り替えます |
確率桁数 | 確率表記設定の元で、小数部の桁数を指定します |
円グラフ | ノードの周りの円グラフの表示・非表示設定です |
ノード名表示位置 | モデル欄に表示されるノード名の表示位置を変更できます 「中心」「ノードの下」が選択できます |
状態名表示位置 | モデル欄に表示されるノードの状態名の表示位置を変更できます 「リング上」「ノード横」が選択できます |
リンク色 | 「親リンクを同じ色にする」「子リンクを同じ色にする」「強調ノードの親子のみ」が選択できます |
クロス集計 | 条件付き確率表欄でのクロス集計の表示方法が選択できます。
「条件付き確率表内に小さく表示」「条件付き確率表内に区切って表示」「条件付き確率表の下に続けて表示」が選択できます |
独立ノード | 親子関係(リンク)が無いノードに対して「表示」「非表示」が選択できます 独立ノードの表示が不要な場合や、独立ノードが多く他のノードが見づらい場合等にご利用ください |
デザインに関する設定を行うことができます。
項目 | 説明 |
---|---|
円グラフ色 | 円グラフに使用する色の設定ができます サンプルをご用意していますが、ご自身でお好きなカラーパレットを設定することができます |
カラーパレットの設定方法について
BAYGLEがインストールされているフォルダのback\config\default.js
を開き、下記を参考に色を指定してください。
色の数に制限はありません。
palette: {
設定名1: [
"#ff4d00",
"#006fbb",
"#fff200",
"#03af7b",
"#4dc4ff",
],
設定名2: [
"#ff4d00",
"#006fbb",
"#fff200",
"#03af7b",
"#4dc4ff",
]
},
管理画面は、管理者ユーザーのみ画面の右上に表示されている歯車マークから開くことができます。
ここでは、ライセンスに関する設定と、ユーザー追加や削除、権限管理などができます。
ここでは、ユーザーの追加、ユーザー情報編集ができます。
新たにユーザーを追加する場合には、左上の「ユーザー追加」ボタンから行ってください。
※
ライセンスによって追加できるユーザー数に制限があります。ライセンス管理からユーザー数上限が確認できます。
ユーザー情報編集は、各ユーザーの「編集」ボタンから行ってください。
ログインID、パスワード、管理者設定、ログイン制限などの設定ができます。
ユーザーの種類について
ご購入プランによっては、ユーザーを追加して複数人数でお使いいただくことが可能です。
複数人数でご使用される場合には、管理者ユーザーと一般ユーザーの設定があります。
ユーザーの「編集」ボタンをクリックすることで、そのユーザーの種類が確認できます。
管理者ユーザー
管理者、一般ユーザーが作成したすべてのプロジェクト(公開・非公開)に閲覧、操作の権限を持ちます。
一般ユーザー
自身が作成したプロジェクト(公開・非公開)と、他のユーザーが作成したプロジェクト(公開)に閲覧、操作の権限を持ちます。
現在のライセンス情報を確認することができます。
期間の延長や、新たなライセンスを利用する場合には、こちらの画面で再度ライセンス認証していただく必要があります。
推奨動作環境が用意できないのですが、BAYGLEを使用することはできますか?
推奨環境以外の環境でも、BAYGLEをご利用になれる場合があります。
推奨動作環境に記載されている環境を参考にし、ご利用になりたい環境情報を添えてお問い合わせください。
BAYGLE を利用中なのですが、期限以降も利用できますか?
現在ご利用中のBAYGLEのライセンスが切れる前に、新たにライセンスを契約することができます。
お問い合わせください。
ログインID・パスワードを忘れました
初期のログインID・パスワードから変更していない場合は、ログインID「root」、パスワード「root」でログインすることができます。
また、変更後の管理者ユーザーのログインID、パスワードを忘れた場合はお問い合わせ下さい。
管理者以外のユーザーのログインID、パスワードを忘れた場合は管理者ユーザーのアカウントで、ログインID、パスワードの変更が可能です。
サーバーを建てて別端末から利用することは可能ですか?
サーバー機でBAGLEを立ち上げて利用することが可能です。
複数人で利用される場合は複数人用のライセンスが必要となりますためご注意ください。
チュートリアルで使用するデータはどこにありますか?
BAYGLE
フォルダ内の、data
フォルダに格納されています。
本書をお読みいただきありがとうございました。
ご不明点等がありましたら、BAYGLE担当( support@baygle.net )までお気軽にご連絡ください。